3月25日付けの日経新聞に文化庁長官の近藤誠一さんによる心のケアについての記事が掲載されました。未読の方は是非ご一読ください。
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東日本大震災の発生から2週間。被災者の支援や復興のために文化が果たせる役割は何か。文化庁の近藤誠一長官は被災者の心情に配慮したうえで、「チャリティー公演の開催」と「アーティストによる心のケア」を挙げる。
文化・芸術ができることは大きく分けて2つあると思う。
ひとつはチャリティーコンサートなどを開いて被災地への義援金を集めること。地震の発生以降、外国のアーティストなどが公演をキャンセルし、空いている会場がある。そうした場所を使ってチャリティー公演を開くという動きがすでに出ている。大いに結構だと思う。
節電に配慮しつつ、通常の公演とともにどんどんやってほしい。現在はそうした催しへの後援を検討しているところだ。
美術では、例えば芸術系大学の学生の作品をチャリティーオークションにかける。社会や経済を活性化し、義援金を集めて被災地へ送るという貢献ができる。美術館や博物館でもチャリティーのいろんな仕組みが考えられる。我々がそのひとつの触媒になれないかと考えている。
まだ行方不明の方が多数いらっしゃる状況なので、そうした計画を大々的に打ち出す時期ではないが、いずれ必要になるときが来る。そのための準備を進めている。
もうひとつの役割は、アーティストたちによる心のケア。実際に被災地を訪ね、音楽を演奏したり、演劇を上演したりして、人々を励ますことだ。阪神大震災のときに、被災者に喜ばれるなど効果があった。予算の一部を確保して、重点的に被災地へのアーティスト派遣の支援に使いたい。
補正予算でも心のケアのための芸術活動の予算を確保したい。人間は衣食住が足りるだけではなく、精神的に力や勇気を得ないとなかなか立ち直れない。
生命救助が一番大切なのは当然のことだが、不安におののきながら暮らしている人々が立ち直るための精神的な救助も必要になってくる。特に、子どもたちにとって、このショックがトラウマになってしまう危険性がある。
心の傷を癒すには何より文化・芸術がいい。避難所におけるエコノミークラス症候群を防ぐのに、モダンダンスも効果があるという。アートを通じて精神的、肉体的な回復を助けていきたい。
被災された方々の心情に配慮しながら、被災地の現状に応じて、できるところから始めていきたい。タイミングをきめ細かく見ながら、できるだけ情報をつかみ、アーティストに提供していく。被災地とつなぐ窓口をつくろうと思っている。
文化・芸術の関係者も含め、日本が一丸となって復興に取り組んでいることが海外にも伝わるといい。日本に来て被災者の力になりたいというアーティストがいれば迎い入れて活躍してもらう。
今回の地震で398件の文化財の被害が現在のところ報告されている。早いうちに被害の全容を調査し、修理・復元などを国が支援する。いざ復興が始まると、先祖から伝えられてきた有形無形の文化財は、地元の人々の心の支えになる。コミュニティーのシンボルが失われてしまうと後で非常に後悔することになるだろう。
世界遺産の候補になっている国宝の中尊寺(岩手県平泉町)も今のところ大きな被害は聞いていない。(世界遺産を登録する)ユネスコに早く知らせようと思う。こうした文化財が地元の誇りとなり、復興の力になるだろう。
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―――上記、記事について
「補正予算でも心のケアのための芸術活動の予算を確保したい」とあるように被災者への心のケアは国の意思として立ち上がろうとしています。
今回の震災で公演中止にせざるを得なかったアーティストの方々、またはこれから先、夏期の公演を計画しているが集客への不安を抱えていたり、宣伝は非常にしにくいので・・・。という不安を抱えている団体が多くある中、被災地への心のケアのための芸術活動を具体的にどうして成立させるかを考える機会が出てきたかもしれません。ボランティアではなく、仕事としてです。
不謹慎な発言ととらないで欲しいのですが、この活動を推進する事は被災地の方々にとっても、この先の芸術活動に不安を抱えている団体にとっても非常に有効な手段になりうるかと思います。
この記事は今後の演劇界にとって非常に重要な可能性を秘めていますが誤解を受けやすい内容なので慎重にみつめる必要があると思います。